実はサチってなかったモデルと実戦対局してみた

前回のU8の系譜からさらに進めて、サチっていたと思っていたけれど、policy targetに生の訪問回数(raw visit)を使って学習させたら全然サチっていなかったことが分かった(詳しくは前回の記事『探索ノイズを引いた教師より、そのままの訪問回数で学習した方が強かった』を参照) そこで、この最新モデルで改めて試験的な対戦をやってみた。前回のU8との対戦に続いて、やはりこのモデルは強かった。前回の強さもまぐれじゃないかもしれない。最近は2人プレイの対戦をあまりやっていなくて勘が鈍っている部分もあるが、それを差し引いても、このモデルはかなり戦えるという確信が少し高まった。 結果から言うと、16対12で私の負けだった。今回も人間相手ではあまり見ないタイプの手を打たれて、評価値の推移によると終始押される展開となった。

1手目からの貴族狙いリザーブ

まず驚いたのは1ターン目、相手が最初の手番を握っている状態で、いきなりTier 1のカードを予約(リザーブ)してきたことだ。

1手目。相手が初手でTier 1の最安値カード(黒ボーナス)をリザーブした局面。

モデルはTier 1の中で最もコストが低い、黒ボーナスのカードを予約した。盤面を見ると、今回出ている貴族のうち2枚で黒が必要とされている。相手に取られる前に取っておこうという意思が働いているように感じられた。 そこから9ターン目にも、相手は再び予約をしてきた。今度は赤の低コストカードだった。

9手目。相手が再び低コストのカード(赤ボーナス)をリザーブした局面。

赤も同様に考えると、今回のすべての貴族で必要になるボーナスだ。1ターン目の黒予約と合わせて、一貫した戦略を取っていそうな感じがする。

そこから徐々に、私としては大きなミスをしていないつもりだったが、押される展開が続いていった。 途中、ある一手でなぜかモデル側の評価値が下がった場面もあった。ただ、その後に私の悪いプレーが出てまた元に戻ってしまい、ジリ貧という感じだった。

圧倒的な購入カードの差

この局は55手まで続いたが、51手目の時点で私は8点、相手が10点と、ここで初めて相手に得点を上回られた。そして大きく差がついたのが購入カードの枚数で、私の7個に対して相手は13個ものボーナスを持っていた。

51手目。相手が10点、自身が8点。相手のボーナスが13個に達し、トークンを抱え込まれた局面。

相手としては、もはやTier 1やTier 2の安いカードを買うのにトークンをほぼ使う必要がない状態になっていた。そのため、相手はトークンを常に7個以上確保したまま、私が欲しがりそうなトークンを絞ってきた。 後半にボーナスが増えるとトークンを使う必要がなくなるので、自分がトークンを買い占めて相手の選択肢を狭める動きが有効になる。今更思い出したことではあるけれど、モデルが実際にそういうやり口を取ってきたのは新しい発見だった。 こうしてこちらの取れる選択肢を制限され、もはや打てる手がないまま、そこからわずか4手先の55手目には16対12で負けてしまった。

55手目。16対12で敗北が決まった終局局面。

序盤の予約から終盤のトークン絞りまで、意図を感じさせられるような手が見られた。